我が街の熱中人(その13)

    我が街の熱中人
井上さんご夫婦の写真

ご夫妻の生き生きとした表情

今回の熱中人
井上 明治さん(68才)
奥様 由美子 さん(64才)
(市内 緑が丘在住)
15年程前から、無農薬、無化学肥料の完全な自然農法・有機栽培による家庭菜園に取り組んでおられるご夫妻です。農地の規模から家庭菜園というより家庭農園といった方が適切かも・・・・・毎日、夫婦ご一緒の農作業・夫婦円満の秘訣ですね。太陽の恵みと大地の力を一杯吸収した自然農法の野菜達は、害虫や病気にも負けず、元気に成長していました。ご夫妻も元気・健康一杯!!
1.菜園の風景と足取り

第一菜園の写真 第二菜園の写真 菜園の先輩との写真
第1菜園 第2菜園 菜園の先輩・隣の畑の吉田さん(左)と
相模原・麻溝台(県立相模原公園の南側)の大自然のなか、2か所の菜園でいろいろな野菜を栽培しています。
今から15年ほど前、妻がご近所の吉田さん(写真の方)に畑を紹介して頂き家庭菜園を始めましたが、妻はすっかり夢中になり、栽培する野菜の種類もだんだん増えてゆきました。周囲の菜園仲間の影響もあり、教えてもらいながら無農薬、無化学肥料、有機栽培の自然農法に取り組んできました。私は、当時、仕事(サラリーマン)もあり、また 趣味の「さつきの盆栽」に熱中し、菜園はもっぱら妻任せで、土日曜など休日に妻の作業を手伝う程度でした。定年後の今は私もすっかり夢中になり、雨が降らないかぎりほとんど毎朝、太陽が昇る前には農作業を始めています。真夏でも早朝の畑は涼しく快適です。また周囲には気の置けない菜園仲間が大勢いて、野菜づくりのいろいろな情報交換や種・苗の交換、また作物の自慢・交換など楽しい家庭菜園生活です。出来た野菜は、ご近所、知人、親戚に配っていますが、「井上さんちの野菜はおいしい!!」といわれるのが一番うれしいですね。
 
2.肥料づくり
ボカシ肥料の写真 家庭くずの発酵 堆肥づくりの様子
完成した ボカシ肥料 台所くづは全部発酵ポットで堆肥に 堆肥づくり(熟成中の堆肥)
自然農法では、肥料づくりが重要ですが、我が菜園では「ボカシ肥」と「ボカシ肥を入れた堆肥」を自作して使用しています。
「ボカシ肥のつくり方」
ボカシ肥とは、米ぬか、油かす、魚粉(骨粉)を微生物を使って、発酵させたものです。春、よもぎの葉を絞って液体を抽出し、これに黒糖を入れ、微生物により発酵させます。この液を水で希釈し、米ぬか、油かす、魚粉(骨粉)に入れ、発酵させます。この液は水で希釈して畑に散布しても有効です。
「台所くずの発酵肥料」
台所くずは、密閉発酵容器に入れ、ボカシ肥を振りかけ、密閉して発酵させます。発酵したものを、落ち葉などの堆肥に混ぜて、更に発酵させます。
「堆肥のつくり方」
堆肥は、落ち葉や家庭の台所くずに、ボカシ肥を混ぜ、ビニールシートで覆い、約1年間発酵させて、熟成します。
3.苗づくり
自宅のプランターで苗づくり 畑のビニール温室
自宅プランターでの苗作り 畑のビニール温室
有機栽培での野菜の出来は、種・苗の良し悪しに大きく左右されます。私達は、苗も、自宅のプランター、畑のビニール温室で育てています。一般的には、自宅のプランターで苗を育て、畑に移植しますが、気温の低い春先の野菜(トマト、ナス、スイカなど)は、畑のビニール温室で育てます。ビニールは三重になっていて、かなりの寒さにも耐えられるようになっています。気温が上がった時は、ビニールを部分的に開放して、温室内の温度を調節しなければならず、苗づくりは四六時中目が離せません。
4.作物の数々
年間通じて栽培している作物
果物
りんご(津軽、サンフジ)
果菜類、豆類
かぼちゃ、トウガン、かんぴょう、スイカ、トマト(大玉、中玉、ミニ)、なす、きゅうり。ゴーヤ、ズッキーニ、ピーマントウモロコシ、エンドウ、エダマメ  など
葉菜類
きゃべつ、白菜、ブロッコリー、たまねぎ、ねぎ など
根菜類
さつまいも(安納いも、種子島むらさき)、さといも、ジャガイモ、だいこん、にんじん、かぶ など
かんぴょう
かんぴょう(巻ずしに使います)
かぼちゃ
かぼちゃ(まだまだ大きくなりそう!)
スイカの畑
スイカ畑(ゴロゴロスイカがかくれています)
白いゴー
白いゴーヤ
ミニトマト
ミニトマト(枝もたわわに実っています)
リンゴ(津軽、サンフジ)
りんご(津軽、サンフジ)
5. 感想
ご夫妻の自然農法での野菜づくりへの情熱・愛情にはただただ感服です。記者も細々と家庭菜園をしていますが、太陽が昇る前には畑に行き、また、かぼちゃ、とうがん、スイカなどに1本1本丁寧に人工受粉している姿は、とても記者には真似が出来ないと思いました。リンゴを植えたり、サツマイモも「安納いも」や「種子島むらさき」などめづらしい品種を栽培されるなど遊び心も一杯で、菜園生活を満喫されている様子が伝わってきます。