我が街の熱中人（その19）
我が街が熱中人
堀口　眞さん 今回の熱中人
堀口　眞さん　（７２才）
（緑が丘２丁目在住）
緑が丘２丁目・自主防災隊の隊長として、緑が丘中学校避難所運営協議会の会長として、地域防災の推進に、また光が丘地区の自主防災隊の整備、レベル向上に、先頭に立って取組んでいる方です。　定年退職後の残されたエネルギーの全て？を地域の防災にかける、まさに防災熱中人です。
地域防災に取り組むことになったきっかけは・・・・・
平成１９年度の緑が丘２丁目の自治会長を拝命しましたが、当時から地域の防災体制に危惧の念を持っておりました。残念ながら会長在任中は具体的な対策はできませんでしたが、翌年（会長退任後）、自治会と別組織の緑ヶ丘２丁目自主防災隊を設立し、隊長として地域防災に取り組むことになりました。　発足当時の隊員２０名から、現在は、総員１２０名の組織（内訳：下記）となり、その他緑友会（老人会）１１０名も支援団体となり、緑ヶ丘２丁目をあげての組織となりました。
平成20年6月防災隊発会式の様子 　　　緑が丘２丁目
　　自主防災隊隊員数
　　（平成２５年１月末現在）　
　　 隊員　　　　　 ５８名
　　準隊員　　　　 ２８
　 自治会班長 　 ２７　
　　顧問相談役　　 ７
　　　計　　　 　 １２０名		 防災隊隊員名簿ボード 緑が丘2丁目防災マップ
平成20年6月防災隊発会式の様子 防災隊隊員名簿ボード 綠２・防災マップ
これまで取組んできた地域防災活動は・・・・・
防災隊の組織：　消火班、救出救護班、災害弱者支援班、給食給水班など８班が設置されていますが、昨年度はより近いところでの初期消火、救助をめざして、町内を４区分し、各地区に地区長、副地区長、隊員を配備した体制としました。　　
防災隊の訓練：　いざというときに慌てず、適切な対応ができるよう各種訓練を実施しています。　昨年度は８回実施。
主な訓練は
  1. 自治会主催の防災訓練（一般自治会員に役立つ訓練）
  2. 隊員としての技術習得のための訓練（礼式、放水消火、人命救助、防災器具取扱などの訓練）
  3. 地域の防災訓練への参加（光が丘連合自治会合同訓練、相模原市主催防災訓練）
  4. 青葉小学校との連携防災訓練（青葉小の体育館、校庭で開催、教頭先生の防災講演なども）
  5. 青山学院大学との合同防災訓練（青山学院大学グランドで大学生と合同で）
特に本年度は、町内４地区ごとの初期消火訓練（バケツリレー、消火器消火）、救命救助訓練を行い、地区制の定着をめざしています。
防災訓練・整列・点呼 放水消火訓練開始 放水消火訓練 倒壊家屋からの救出訓練
　　防災訓練・整列・点呼 放水消火訓練開始 放水消火訓練 倒壊家屋からの救出訓練
青山学院との合同防災訓練 元気一杯学生のホース運び 青葉小教頭先生の防災講話 青葉小でのバケツリレー訓練
青山学院との合同防災訓練 元気一杯学生のホース運び 青葉小・教頭先生の防災講話 青葉小でのバケツリレ-訓練
その他の防災活動としては・・・・・
  1. 対策本部の設置：　東日本大震災の発生直後、自治会館に対策本部を設置し、町内の巡回を実施しました。
  2. 防災無線の整備：　大震災時の情報伝達、情報共有は最重要事項であり、防災無線の体制を整備しました。町内用としてトランシーバー１０台、４キロ圏内（光が丘地域全域）用としてデジタル無線１４台、相模原市全域用としてアマチュア無線（緑ヶ丘２丁目自治会会館に、免許は防災隊で取得））を設置しました。
  3. 災害時救助希望者アンケートの実施と希望者への防災備品取り付け代行：　アンケートの結果を防災マップに表示しました。　また希望者に火災警報器を格安頒布と取り付け工事を実施しました。　希望者に対応できるよう、隊員に対して家具転倒防止器具の取付、ガラス飛散防止工事の訓練を実施しました。
  4. 広報活動：　住民の防災意識の向上を目的として、防災隊ニュースを隔月で発行し、現在２１号となりました。　また　防災小冊子「みんなで守ろう！家族、わがまち・緑が丘２丁目」（A５版、１６頁）を作成し、自治会員５４０世帯に配布しました。
平成23年3月11日災害対策本部設置
 無線局アンテナ（自治会館） 防災機器設置の代行 防災隊ニュース、小冊子の発行
平成23年3月11日
災害対策本部設置		 無線局アンテナ
（自治会館）		 防災機器設置の代行 防災隊ニュース
小冊子の発行
緑が丘中学校避難所運営について・・・・・
大震災時には、この避難所には５自治会が避難します。　毎年定期的に会議を開催し、また５自治会の住民の皆さんにも参加して頂き、備品倉庫の中身、体育館の自治会毎の場所の割り当て、災害時の緊急飲料水の取扱、トイレの場所と緊急トイレの組立方法確認、避難所運営班の担当決め、などを行いながら自治会間の人間関係の構築など体制を整備しております。		 緑が丘中での避難所運営訓練 緑が丘中の災害用飲料水水槽標識
　緑中での避難所運営訓練 緑中の災害用飲料水
水槽標識
地域の防災活動の課題、これからの取組について・・・・・
「自分たちの町は自分たちで守ろう」はよく聞くスローガンですが、実際には動ける組織が必要です。地域防災の基本は「共助」と「自助」です。幸い、光が丘自治連合は相模原市内でも先進的な取組を行なっており、自治会から独立した、継続的な自主防災隊が次々と誕生しています。１３年度には合計１０隊の自主防災隊が組織される見込みです。　将来、光が丘以外の地域でも同様な自主防災隊が設立され、地域防災組織が「点から面へ」へと拡大し、やがては相模原市全域をカバーすることになれば素晴らしいと考えています。　今後組織の拡大とともに自主防災隊連合のような新たな組織が必要になるのではないでしょうか。　また消防署との役割分担を明確にしてゆく必要がでてくるのではないでしょうか。　
消火栓を使用した放水消火について・・・・・・
大震災で火災が発生したら、現在の消防力では消火は不可能です。まず「火を出さない」「初期消火」をすることが大事ですが、自主防災隊として最後にできることは「消火栓を使用した消火」です。　緑２・自主消防隊では、この２年間で計８回の消火栓を使用した放水消火訓練を実施し、相模原市にその配備を求めてきましたが、まだ実現していません。　隣町の大和市では、１５０の全自治会防災隊に右の写真の「消火栓使用消火機材一式」を設置することになりました。大和市のデモンストレーションを見学し、市長とも面談し、状況確認しました。　この機材は消防署使用のプロ用の機材に比し、水圧が低く放水の飛距離が多少短くなるものの、我々にも安全に使用でき、効果も十分期待できる機材であると思います。　相模原市にもこの機材の早急な導入を働きかけてゆきたいと考えています。　		 　　大和市導入の機材一式　　
大和市導入の機材一式
記者の感想：
昨年末、NHKのテレビで、東日本大震災後の家庭の防災対策の実態が放映されていましたが、防災対策の必要性は十分理解していながら、いざわが家のこととなると、進んでいないのが現状のようです。　地域防災の進展には、堀口さんのように、地域の核となって、情熱をもって取り組む人材が必要だと実感しました。