我が街の熱中人(その16) 


  

一見 大学名誉教授
  一見、大学名誉教授
今回の熱中人
 少年時代の夢を70才で実現した人!!
 ”石炭を燃やして人を乗せて走る模型蒸気機関車(ミニSL)づくり”

      丹羽 保明さん(75才)
       (市内 光が丘3丁目在住)

静かな物腰のどこに、このような情熱を秘めているのか? 
その熱中ぶりはただ「すごい!」の一言です。
 

どんな少年だったのでしょう。 ミニSL製作は何時頃から・・・
少年時代は、モーターやラジオを自作したり、首振り蒸気エンジンの製作に挑戦したりと、とにかく機械いじりが好きで夢中になっていました。 仕事の現役時代は、コンピューター関係の仕事でしたので、機械いじりから離れていましたが、定年退職後は、好きな機械いじりに没頭できる環境となり、やっと念願のミニSLづくりに取組んでいるところです。 1号機は1年半で完成し、その間、基礎的な技術も理解し、工作機械の操作にも馴れて、2号機の製作に着手しました。 製作に4年、その後の調整に2年かかり、走れるまでに6年かかっています。 現在は快調に走っています。  現在、更に大型の3号機を製作中で、完成は来年(平成25年)末を予定しています。 ただ、加齢と共に作業のスピードが遅くなっており、予定どおり完成出来るか気掛かりです。
1号機の雄姿
1号機の雄姿
線路幅 45mm
車両幅 88mm
重量 3.9kg
2号機の雄姿
 2号機の雄姿

線路幅 3.5インチ(89mm
車両全長 120cm(含炭水車)
車両幅 20cm
重量 49kg(含炭水車
製作中の3号機製作中の3号機(未だ部品の段階)
線路幅 5インチ(127mm)
組立て中の2号機(車台)
組立て中の2号機(車台)
組立て中の2号機(ボイラー)
組立て中の2号機(ボイラー)
組立て中の2号機(エンジン)
組立て中の2号機(エンジン)

ミニSL製作上のご苦労、喜びは
1号機は、基礎的な技術と工作機械の操作の習得を重点に製作しましたが、2号機は、私の大好きな機関車「C-58」をイメージしながら、自分の好きなように設計、製作しましたので、自分なりの工夫、考えが込められています。 設計図は、重要部分である「全体の寸法」「ボイラーの形状、大きさ」「車輪径」「軸間距離」「シリンダー」「ピストン」「バルブ」等は作成し、部品については一個一個の図面の作成は省略しました。 それでも設計図は、 A4版で約40枚、約半年かかりました。 製作面では、全ての部品を自作することを目標としましたが、一部の部品の自作には困難な面もあり、動輪は市内の鋳物メーカーの協力を頂くとともに圧力計は市販品を改造して使用しました。 この趣味で楽しいと思うのは製作中で、自宅2階の作業部屋にこもり、部品の設計段階から、無念無想、雑念を一切捨てて打ち込みますので、時の経つのを忘れてしまいます。  まさに至福の時です。 うれしく思うのは、完成したミニSLに、孫達やイベントで子供達に乗ってもらい喜んでもらった時です。
作業部屋の工作機械
作業部屋の工作機械
旋盤で動輪の加工
旋盤で動輪の加工
フライス盤で部品加工
フライス盤で部品加工
自作した部品(スライドバルブ)
自作した部品(スライドバルブ)
自作した部品(動輪部分)
自作した部品(動輪部分)
自作した部品(キャビン、フレーム)
自作した部品(キャビン・フレーム)

完成したミニSLはどこで走らせているのでしょう。
本格的にミニSLを走らせる場所として、静岡県裾野市今里にある「日本庭園鉄道」(東名高速・裾野ICから車で5分)のコースを使用しています。 ここは3000坪の敷地に総延長1.2kmの各種の軌道幅の線路が設置されています。 ミニSLはライブスチームともいいますが、本物の蒸気機関車と同じように石炭等の燃料を燃やして蒸気を作り、蒸気の力で走る模型をいいますが、この施設はミニSLの愛好者のクラブが運営しており、 私もクラブの会員になっています。 毎月第一、第三日曜日に開園していますが、多くの愛好者が自慢のミニSLを走らせていますので、いろいろなミニSLを見ることができます。 入園も無料ですし、ミニSLにも無料で乗ることもできますので、小さなお子様にも人気となっています。 ご家族連れで是非お越し下さい。
日本庭園鉄道の全景
日本庭園鉄道の全景
会員自慢の名機終結
会員自慢の名機集結
会員自慢の名機集結
会員自慢の名機集結
会員自慢の名機集結
会員自慢の名機集結
自慢の名機・2号機も参加
自慢の名機・2号機も参加
お孫さん達と紅葉見物
お孫さん達と紅葉見物?
外国の人も大喜び
外国の人も大喜び
イベント参加
イベント参加
美人を乗せてやや緊張?
美人を乗せてやや緊張?

これからの予定は
たまにゴルフに出かけるほかは、毎日、自宅2階の「丹羽研究所兼作業所?」に籠って、設計・製作に取組んでいます。 健康にも恵まれ、このような打ち込める趣味を持つことができた幸せを感じています。 3号機は2号機より一回り大きく、お乗せ出来るお客さんも増えますので、これを楽しみに来年末の完成を目標に取組んでゆきたいと考えています。

記者の感想 :  食事以外はほとんど2階の2部屋の作業部屋に籠られるとのこと。 少年にかえったような気持ち、心から楽しみ、幸せを感じながら趣味に打ち込んでおられる様子が伝わります。  記者は、ミニSL製作は「キング オブ ホビィ」(趣味の王様)といわれるだけに、「お金もかかるだろうなぁ」と余計な心配もしましたが、 奥様は、多少お金のかかる趣味であることは認めながらも、よき理解者とお見受けしました。 3号機の一日も早い完成を心待ちしています。