相原公民館の成人学級は今年で3回目。学級とは身近な地域課題や生活課題について関心を持っている人たちが、その解決の糸口をみつけるために集まって行う「学習の場」である。
今年のテーマは「豊かなシニアライフ」のために《つながろう!地域・人・家族・自然》。これには2つの特色がある。
1つは「大人の理科教室」と名づけて学んだ手作りおもちゃを、子どもたちに伝えていくプログラムである。昨年よりパワーアップし、昔の学生時代の拒否反応が嘘のように、定理や法則などの難しくも奥の深い真理を、簡単に遊べて楽しいおもちゃに応用する。今回はペットボトルを利用して水圧と空気圧をうまく操り、中に入れた2つの“浮き”を行ったり来たりさせる「魚のエレベーター」や画用紙を組み立てた中にCD片を貼り付け反射させる「プリズム」などである。それらを地域の子どもたちに伝えるのは、子どもまつりの中の「ヤングフェスティバルinあいはら」である。この成果発表の場は異世代交流の場となり、子どもたちに大人気となっている。
2つ目は芝居である。昨年初めて「芝居」をやりたいとの意見が出た時、成人学級といえばテーマを決めてプログラムを組み、講師を呼んで学習をするのが定番と決めていた事務局は、頭の中がまっ白。にもかかわらず準備委員はせっせと芝居街道をまい進し、気がついたら台本が出来上がってしまった。もう腹をくくるしかない事務局。とにかく2部構成なるプログラムを成人学級らしく体裁を整え、なんとか実施にこぎつけた。
「成人学級」の実施意味はその内容が地域や学級生の学習ニーズにどれだけ合っているかではないだろうか?敷かれたレールの上をただ歩くのではなく、「自分たちの力で何か作り上げたい」との思いが、たまたま芝居に向ったのだ。芝居はエネルギーを消耗する。台詞ひとつ覚えるにも地道な努力が必要。おまけに共演者とのコミュニケーションが一番大切である。昨年の初舞台「一本刀土俵入り」は三ヶ木青年会の皆さんにご指導いただき、地元はもとより他地域の人たちともつながりを持てた。
今年は「瞼の母」。台詞の多さは昨年以上であり、場面展開も大道具・小道具もバージョンアップ。それでも学級生の面々は高い到達点を目指し日々努力を重ね、自分なりに役になりきっている。一人ひとりの挑戦しようとする心意気と、それに費やした努力の多さが、2月26日の上演後に、地域の人たちから頂く満場の鳴り止まない拍手に通じると学級生は信じて疑わない。
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