


今年で47回目を迎えた「陣馬山ハイキング」が、4月29日の「昭和の日」に晴天のなか実施された。この事業は昭和41年から旧藤野町で開催していたもので、ハイキングを通じて参加者の連帯感を深め、体力づくりや環境美化運動の推進、郷土愛の醸成を目的としている。
陣馬山は、東京都八王子市と接する標高855メートルの手軽に登れる山で、山頂からの眺望も素晴らしく、「関東の富士見百景」「かながわの景勝50選」にも選定されている。また、山頂には3軒の茶店が立ち並び、トイレも完備されており、年間を通じて多くの登山客に親しまれている。
「陣馬山ハイキング」は、市町村合併してから福祉部が主体となって実施してきたが、昨年から藤野中央公民館の事業として位置づけられた。しかし、昨年は東日本大震災で中止となり、一昨年は雨天のため登山途中で下山となったため、山頂に登ったのは3年振りとなった。
今年は藤野地区内の子ども会を中心に約400名が参加し、4か所のコースに分かれて、同時に到着するようにスタート時間をずらして、それぞれ頂上を目指した。正午前にゴールし、昼食後は自由時間を過ごしたのち、青少年指導員の主導による「山頂のつどい」(レクリエーション)を楽しみ、午後2時に登ってきたコースを下山した。3年振りとあって、今年は参加者も多く、満開の桜の花やこいのぼりが泳ぐ山頂でのひと時を楽しんだ様子であった。また、大型連休の2日目であり、絶好のハイキング日和もあって、山頂を目指すハイカーが後を絶たず、高尾山なみの人出で、広くなだらかな山頂が大勢の人で埋め尽くされた。
かつては、千人規模でのハイキングの時代もあり、山頂で短冊をつけた風船を一斉に飛ばしたり、連凧を揚げたり、みんなで歌を歌ったりしたこともあったが、少子化に伴い、参加者はひところの半分以下となっている。しかし、47年間続くこの行事は、親子で登る山の楽しさ、仲間と励ましあいながら登る山のつらさ、山頂での360度見渡せる眺望の素晴しさを体で感じ、子どもたちがいつになっても忘れられない山にしてくれている。郷土が誇れる陣馬山、その陣馬山が人間を育て上げていく。そんな山だからこそ、伝統ある「陣馬山ハイキング」をいつまでも続けていきたいと思っている。
読者の皆さんも緑豊かで、眺望の素晴しい「陣馬山」に一度登ってみてはいかがですか。
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