


中央公民館には、地域の方に愛され19年間続いている事業「アウトドアライフのABC」がある。この事業は、野外で小学生とその家族がクッキングや工作などのアウトドアライフを体験することにより、家族のふれあいや参加者相互の親睦を深め、アウトドアの知識・技術を習得し、地域を知り、愛着を持つきっかけとなることを目的として行われている。
この事業の特長は、常に参加者の興味と交流を意識したプログラムづくりが行われており、その内容は毎回異なる。ただ、変わらないのは「子どもだけでなく、大人も一緒に楽しむ」というコンセプトである。
さて、今年は4月22日(日)に公民館に程近い富士見公園に12組31名の家族を迎え、アウトドアクッキングと竹工作の挑戦が始まった。クッキングでは、春キャベツと豚肉のポットロースト、ベーコンとエリンギのトマトスパゲッティ、バウムクーヘンづくりに挑戦した。中でも、大人気だったのがバウムクーヘン。長さ130センチ、直径8センチの竹の中央部にクッキングペーパーを巻き、その上に強力粉とホットケーキミックスなどを混ぜ合わせた生地を薄く塗り、回転させながら遠火で焼き色をつけていく。この作業を繰り返すことによりバウムクーヘン特有の層ができあがる。二人の竹の回し手と生地の塗り手の呼吸が大切で、最初は少し遠慮気味だった参加者もバウムクーヘンの焼き上がりとともにいつしか交流を深めていた。
肌寒い曇り空の下だったけれど、みんなでつくった料理を囲みながらの楽しいランチタイム。おいしくできて、おなかもペコペコだったせいか、いつも以上にたくさん食べられたようである。
午後は、雲行きが怪しくなってきたため、公民館に移動しての竹工作。ひばり笛、竹とんぼ、パカパカ馬づくりに挑戦した。ノコギリをにぎる子どもたちの顔は真剣そのもので、苦労の末に完成した思い思いの作品を手に、あちらこちらで笑顔の大輪が咲き乱れた。と次の瞬間、ひばり笛とパカパカ馬によるピーピー、パカパカの大合唱。やはり、子どもは遊びの天才。子どもに負けじと竹とんぼに挑戦する大人の姿も。ご家族同士が仲良く、楽しむことのできた春の日の一日となった。
この事業に参加してくれた子どもたちが健やかに成長し、自らの子どもと一緒に、再び、参加してくれる日が来ることもそう遠くはないかもしれない。
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